蔑視線恥丘号

アニメファンが声優の顔出し番組に(というか、自分たちのフィールドのタレントを、他のフィールドに引きずり出す行為に)神経質な理由とは?
単に「何いまさらこっちに手ぇ出してきてんだよ、俺たちの〜〜にちょっかい出すんじゃねーよ」という排他もあるだろうが、アニオタのような立場の人間たちからしてみれば、こういうアングリーメントって必要なんじゃないかなあと思う。
サブカルはある程度の蔑視を受けて然るべき領域であり、そちら側の受けを狙ったモノ(特にテレビ番組)というのは、フィーチャーとして機能せず、むしろ浅慮によってファンの神経を逆撫でするだけの内容であることが多い。もちろんアニメ業界に限ったことではない。インディーズ・ロック・シーンとかにも見られる現象である。CS局のなかでも比較的メジャーな番組なんかで、知識が未熟なパーソナリティが、テレビタレントでもないバンドマンに対し的外れな質問をして場をドロドロにしてしまう例などいくつも見てきた。

ファンはこれを受けて「〜〜を何だと思ってるんだ!」と憤慨するわけだが、この憤慨こそがファンの庇護欲を誘い、対象を後押ししようと意識するようになるところは確かにあると思う。「〜〜をあんな扱いしやがって……」消費者のレベルにおいては、こういう意識の成立ってセールスに直結するんじゃないだろうか。もしやテレビはそういう計算に基づいてプログラムを組んでいるのか?
と思ったが、「ファンを憤慨させる」即ち「対象にストレスをかけていると思しい」わけだから、狙ってやっていたらそれはそれで問題である。テレビなのだから、打合せが前提としてあって……とも考えた。こういう懐疑を絶対に否定できないから、テレビって恐い。