育成

ペットを飼う(≠ペッティング)ということをしたことがない。だから「うちの犬がモビー・ディックのドラムを完コピしちゃって」とか「うちのフェネックが、俺がトゥルーエンド観る前にテキストも画も100%出しちゃって」とか、といったような笑い話を聞いてもピンとこない。
架空のペットを考えて、このブログで育成・観察日記を書こうかと目論む→頓挫。
なので、自意識に潜んで僕にちょっかいをかけてきているとしか思えない存在に名称を与えてみる。
彼奴をペットと見立てるのだ。

彼奴は、僕が漫画を読んだ後に活字を読むと、文章内容の映像化に干渉して、漫画の絵柄を易々と構築してくる。僕が『クォース』をプレイした後で活字を読んでいると、文字の配列とブロックのイメージを連結させ、ブロックを撃って段落を消したくなるように仕向けてくる。思い浮かべた映像への意識の傾注が甘いと見るや、その輪郭を滑らかに崩壊させて全く別の映像へとフェードさせる。授業中に窓から眺めた木の葉擦れ、葉っぱの光沢の揺らめきを使って、僕が忘れていたような古い記憶、小学生だった頃に見たそれと似た景色を思い出させる。

彼奴は自分の感官に居座ったバグであり、色んなところに癒着しているもんだから引き離しようが無い。付き合いも長いから愛着もある。
命名「T.N」。Tsuき合いがNaがいから。

以降「T.N」カテゴリーの記事は、僕がT.Nによって生活をかき乱されたときの覚書としてみます。